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当事務所が手がけた再生事例

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当事務所では、これまでに多くの企業再生に携わってきました。「もう駄目かもしれない」と当事者も銀行も一時は考えた会社が、不死鳥のように蘇る姿も見てきました。
ここでは、これまでに当事務所が扱った企業再生事例を一部ご紹介させて頂きます。

再建の成否は数字じゃない。人だ。(トーヨー加工株式会社の再生事例はこちら)

 

1 地域総合病院

   
会社の概要 A銀行が唯一の金融債権者
病床数200床弱の地域総合病院
債務総額:約12億5000万円
問題点 この法人は、開設以来30年以上の歴史を有する伝統ある総合病院として、札幌市の地域医療に携わり、地域に根ざした医療事業を行うなど地域医療に貢献してきた。しかしながら、近年、入院患者数の低迷を主因に診療収入が大幅に減収するようになり、この法人の業績は、3期連続で赤字決算となるなど、早晩、資金繰りが立ち行かなくなる状況にあった
再生スキーム もっとも、この法人は、総合病院として地域医療に貢献し、その地域に必要不可欠な存在だったことから、この法人が地域に提供していた医療事業は、その地域のために存続させたいという強い要請があった。他方、この法人は地域医療に貢献してきた病院でありましたことから、法的整理手続等を行えば、この法人の破綻が表面化し、地域に多大な混乱を招くことが懸念され、法的整理手続等は避けるべきという要請もあった。
したがって、この法人の法的整理手続等は行わず、この法人の事業を全て譲渡する事業譲渡というスキームを選択して、この法人の事業を存続させながら、事業の再生を目指すことになった
幸いにして、この法人には金融債権者がA銀行しかおらず、A銀行はこの法人の事業再生について協力的であった。そこで、A銀行と協議のうえ選定された医療法人をスポンサーとして、同医療法人に対してこの法人の事業を全て譲渡することにした。
結果 この法人の事業は全て医療法人であるスポンサーに承継されたため、この法人が希望していた全職員の雇用の継続を確保することができた。また、この法人は、法的整理手続等を経ることがなかったことから、破綻が表面化したことによる地域の混乱も生じることなく、さらに、この法人が地域に提供してきた医療事業を毀損することなく、そのまま存続させることができることとなった。
他方で、この法人の唯一の金融債権者であったA銀行は、この法人に対する債権を全てファンドに譲渡した。事業譲渡完了後、この法人は、事業譲渡によって取得した対価をもって、ファンドに対し債権の一定額を弁済し、併せて、残余の債務について債務免除を受けるとともに、通常清算手続を経て清算を行った。
このようにして、本案件は、地域に対して貢献してきた重要な医療事業を存続させながらにして、当該事業の再生を図ることができた。                          

 

 

2 ゴルフ場運営会社

会社の概要 会員1000名、会員預託金債務額30億円のゴルフ場の再建
再生スキーム 会員預託金債務を負担しているゴルフ場運営会社(旧会社)の事業を新設分割によって設立された新会社に承継させた後、旧会社が特別清算手続を申し立てて会員預託金債務の額を1%近くまで圧縮するとともに、分割対価として旧会社が取得した新会社株式を圧縮後の預託金債務額に近い金額でスポンサーに売却し、これによって会員預託金債務の返済とゴルフ場事業の存続を図る。  
スキーム実施上の 問題点

1 スポンサーの探索

本件のゴルフ場は会員の高齢化や価格競争によって収益力の低下が続いていた上、設備投資が十分に行なわれていなかったため今後大規模な修理修繕費用が発生することが見込まれたことから、多くの業者から投資の回収の困難性を指摘された。
加えて、本件のゴルフ場の土地建物は別会社が所有していた上、金融機関の高額な根抵当権が設定されていたため、根抵当権を低額で解除できる見込みが立たない限り、スポンサーが安心してゴルフ場を運営することはできない状態にあった。
このため、スポンサー探索に際しては、ゴルフ場事業者ではなく異業種でコース管理に自社のノウハウを活用することで収益性を確保できる業者に打診を行なった。また、根抵当権の解除については、金融機関に対してゴルフ場土地建物が競売された場合には、売却見込みがほとんどないことを説得し、金融機関の提示した評価額の3分の1の金額で根抵当権解除の合意を取り付けた
以上の結果から、最終的に旧会社は北海道内に拠点を持つ異業種の法人をスポンサーとして確保することができた。

2 会員預託金債務の大幅減額についての会員からの同意取り付け

特別清算手続において債権の減額を内容とする協定案が可決されるためには、債権者集会において出席した議決権者(債権者)の過半数が同意し、かつ、議決権者の議決権の総額の3分の2以上の議決権を有する者が同意することが必要となる。
本件における債権者は、ほぼ同額の預託金債権を有する個人によって構成されていたため、大口債権者の同意によって安定多数を確保することができず、説明会の開催に加えて、個々の会員に対して協定案が否決された場合には会員預託金債権はもちろんゴルフ場が閉鎖されてプレー権も失われることとなる旨の説得を行ない、最終的に協定案に対する同意を取り付けた。                     


 

3 サービス業運営会社

会社の概要 業種:一般消費者を対象としたサービス業
資本金:1000万円
売上高:5億円
債務超過額:30億円 
問題点 本件会社は、10年以上前から一般消費者を対象にサービス業を営んできたが、系列会社の債務の保証による財務の悪化や同業他社の増加による不採算店舗の増加により収支を急激に悪化させていった。
本件会社は不採算店舗の閉鎖を急激に進めて採算が見込まれる店舗に経営資源を集中させて経営の立て直しを図ったが、到底保証債務を含めた債務を償還することはできず、却って資金不足から公租公課、労働賃金の滞納を招き、債権者から順次差押えを受けるなどして資金的に完全に行き詰まった。 
再生スキーム 本件会社は運営継続中の店舗の収支が良好であることから、支払を停止して債務の償還に一定の道筋を付けることができれば立ち直りは可能であると考えられた。
このため、本件会社は民事再生手続を選択することとし、差押えを含めた全ての債務の支払いを停止するとともに、滞納公租公課については関係官署とその支払方法につき協議し、未払賃金については労働者健康福祉機構への立替払を依頼した。
本件会社は経営状態が安定した時点で、裁判所に対して店舗の売上げから債務の10%を10年間で分割して支払う旨の再生計画案を提出し、裁判所から認可を受けた。   
結果 本件会社は、滞納公租公課についての支払いを完了させ、再生計画案によって大幅に減額された債務の支払いのみを行うこととなった上、従業員の雇用も確保された。
再生計画案は、将来必要とされる店舗修繕費用等も考慮の上策定されており、経営の継続性にも配慮されたものとなっている。                            

 

4 スポーツ施設運営会社

会社の概要 業種:一般消費者を対象としたサービス業
資本金:1000万円
売上高:3億円
債務超過額:50億円 
問題点 本件会社は20年近くの間一般消費者を対象にスポーツ施設を運営していたが、長引く不況の影響から満足な内部留保を確保することができず、スポーツ施設建設の際に募った50億円の預託金の償還期限の到来を控え、債務超過の状態に陥ってしまった。 
再生スキーム スポーツ施設運営会社はブランドイメージの維持が集客に影響を与えることから、バッドイメージを回避すべく民事再生ではなく特別清算手続を行うこととした。本件会社は収支が厳しい状況が続いており単独での再建が不可能であったことから、特別清算手続においてはスポンサー方式を採用することとした。
特別清算手続においては、会社分割によりスポンサーに承継される新会社を設立し、スポンサーが新会社の株式を全て取得した本件会社から預託金債権者に対して返済する金員に相当する金額で買い取った。株式買い取り後、本件会社は預託金債権者に対して預託金債権を大幅に減額する旨の協定案に対する同意を求め、同意取り付け後に協定に基づき権利変更後の預託金を支払った。
なお、預託金債権者のうち引き続き新会社でのスポーツプレーを継続したいと考える者については、新会社へのスポーツプレーの申し込みによりプレー権を保証するとともに、将来的に新会社に対して権利変更後の預託金返還を請求できる権利を確保した。   
結果 本件会社は清算され、スポンサーに継続された新会社においてスポーツ施設の運営を継続している。

 

5 産業廃棄物処理会社 

会社の概要 業種:廃棄物の収集・運搬・処理業
資本金:3500万円
売上高:11億9000万円
借入金:4億7300万円
債務超過額:10億8700万円 
問題点

再生会社は、近年の環境への関心の高さ、循環型社会への移行という流れに乗り、順調に売上を伸ばしていった。これに応じて有機堆肥の発酵施設を建設、本社ビルの購入などの設備投資のための借入金が増大した。更に、主力事業以外を営む関連会社として管工事や店舗等のメンテナンス会社等の建設部門の事業を始めた。

しかし、主力事業以外にはじめた関連事業に対する資金援助等が膨らみ、本来の事業である廃棄物事業の資金繰りが悪化し、運転資金不足に陥ってしまった。 

再生スキーム 一部スポンサーの協力を得たものの、基本的には自主再建型である。主力事業については収益性の高い部門であることから、不採算部門である建設部門の営業の廃止、一般管理費等の削減によるコストの削減を徹底する旨を基本とし、再生債権については90%に相当する額の免除、免除後の債権を7年間による分割弁済とする内容の再生計画が立案され認可された。
また、再生計画案による再生債権完済時における債務免除益については、再生会社が関連会社に貸し付けていた債権が、関連会社が破産手続をしたため回収が不能となったことから、貸付金である不良債権と債務免除益との相殺により税の軽減措置を執ることで解決している。   
結果 再生会社は、主力事業に傾注した結果、再生計画による弁済は予定どおり完済し、再生計画による完済時における債務免除益についても、軽減措置により資金繰りを圧迫することなく解決した。                           

 

6 建設業

会社の概要 業種:建設業
資本金:3000万円
売上高:82億7000万円
借入金:5億5900万円
債務超過額:16億3700万円 
問題点 再生会社は、民間企業から発注される新築工事や改築工事を主体として業績を伸ばしてきた。しかし、民間企業が発注する工事を主体としてきたことから、近年の経済情勢をまともに受ける結果となり、マンションの新築工事の発注が連続して中止されたことにより、大幅な受注減となったのに加え、鉄骨・生コン等の資材の急騰による収益の悪化を生じた。
更に、会社の財務内容が正確に把握されておらず、黒字経営と経理処理されてきたものが、実際は赤字経営であることが判明したため、資金繰りに予定していた金融機関からの融資が突然断られ運転資金不足に陥ってしました。 
再生スキーム 自主再建型による再生を目指していたが、単独による事業再生は困難と判断し、スポンサーによる再生に移行した。再生会社の経営を維持するためには、事業を他社に譲渡し、信用不安の払拭と営業活動の対象地域を拡大することが必要であった。
そのため、関東地域で建設業を営んでいる会社と提携することで、冬期間の工事を受注できる体制を整えることができるため、同社からの出資をメインとして新会社を設立して事業を譲渡することとなった。
再生計画の基本方針は、事業譲渡代金及び工事代金等、再生会社の資産処分金を弁済原資として2回分割により弁済し、再生会社は、再生計画終了後、解散決議をおこない、清算手続により清算された。   
結果 再生会社は、再生計画に基づく弁済を予定通り履行し、清算された。 


 


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