北海道札幌市で弁護士に企業再生・破産のご相談なら村松法律事務所 Muramatsu Law Office

聞き手：今回は、企業を再建できる経営者の条件について伺いたいのですが、先生はよく、先手必勝ということをおっしゃっていますね？   村松弁護士：そうです。なんだか毎月、資金繰りが大変だな、という状態のときに、ぱっと相談するんですよ。自分で悩むんじゃなくて。 多くの経営者は、なんとなく経験知で「まあ、今月はなんとかなるだろう」というふうに高をくくっていくんですね。パッと相談できる経営者は、再生の可能性が高いですよ。   聞き手：弁護士に相談すればよいのでしょうか？   村松弁護士：信頼できる弁護士さんと、信頼できる会計士さんが絶対必要です、これから。こういう不況の時代ですから。本当に腹蔵なくものが言える顧問弁護士さんと顧問の会計士さん、持ったほうがいいです。かかりつけの医者を持つぐらい大事だと思います。経営者は意外に相談相手に恵まれていない人が多いですね。

聞き手：先生が先手を打っていれば、ということはありますか？

 

村松弁護士：それは、しょっちゅうありますよ。

例えば、今、やっている案件も、前から気になっていたんですね。6ヶ月前から心配して、「手を打たなくていいのか」って言っていたんです。でも、「いや、先生、大丈夫です。金融機関とかも信頼関係あるし、いざとなったら、金融機関、お金出してくれますから。」と言うんですよ。でも、結局、年末になって詰まってきたわけですよ。だから、6ヶ月前のタイミングで手を打たないと。もちろん、今からでも再生しますけど、僕は。

 

聞き手：やはり、経営者にとっても、思い切って変革することは難しいのでしょうね？

 

村松弁護士：そうだと思います。でも、変化こそ、稼ぐ源ですよ。売上が落ちてきているっていうのは、自分たちが作っているものが、市場からもう飽きられてきている、求められなくなっている、という意味なんですから。

だから、売上がちょっと変動して、落ち気味になったときは、これは改革のサインなんです。事業を改革するとか、別の事業を考えるとか。そういうことも、体力のあるうちはできるんですよ。さっき言ったように、キャッシュがアウトしそうになったら、もう間に合いませんからね。

 

聞き手：先手必勝と、常に変化を恐れないこと。他にもありますでしょうか？

 

村松弁護士：やっぱり、経営の志を失わないことですよ。これは、僕はこう思うんですよ。「なんで会社やっているの？」と聞いた時に、答えがスパンと出る人と出ない人がいるんですよね。出ない人、要注意ですよ。やっぱり自分の、自分が会社を、こういう会社をやっている目的はこうだっていうね。それは、やっぱり世の中のなんらかのことに役立てたいっていう、そういう志があるかどうかですよ。

みんなの役に立ちたいという思いでやる人と、金もうけ、一攫千金当てたいなと思って経営している人では志が天と地ほど違います。

利益は結果ですよ。利益を先に求めてばかりいると、失敗しますね。そう思います。志がある経営者は、私益はそっちのけで仕事に打ち込んで、簡単には諦めませんよ。

 

聞き手：諦めない、ということも大事な要素なんですね。

 

村松弁護士：そうです。諦めない、これは重要です。これは、気力、体力ないと無理ですね。気力、体力、それから、マインド。普通、心が折れますからね、再建をやっていると。そこをぐっと我慢できるのは、やっぱりさっき言った、志がきちっとしていることと、体力、気力が充実してないと駄目ですよね。病気だと、やっぱり折れやすい。だから、常日頃から、健康管理はやっぱり経営者の務めだと僕は思いますね。

それから、「諦めない」ということと、客観的な状況を無視して、独りよがりに頑張るのは違う。だから、専門家に相談して欲しいんですよ。

 

それから、色々な企業を見ていますとね。再建をする過程で、変わるというか、凄い力を出す人がいるんですよ。

だから、ピンチはピンチなんだけれども、それをきっかけにして、ひと皮もふたもむけていく経営者の姿はすがすがしい勢いがあります。経営は自分自身の爆発なくして成功はないと思います。